同じく一茶の晩年の句。
華の世を見すまして死ぬ仏かな
ぽつくりと死ぬが上手な仏哉
次いで修善寺の大患と、それにまつわる様々の事を書いた漱石の『思い出すことなど』の中の一句。
別るるや夢一筋の天の川
「(前略)余は一度死んだ。そうして死んだ事実を、平生からの想像通りに経験した。果して時間と空間を超越した。然しその超越した事が何の能力をも意味さなかった。余は余の個性を失った。余の意識を失った。ただ失った事だけが明白なばかりである。どうして幽霊となれよう。どうして自分より大きな意識と冥合出来よう。臆病にしてかつ迷信強き余は、ただこの不可思議を他人に待つばかりである。
迎火を焚いて誰待つ絽の羽織」
夏目漱石『思い出すことなど』 (十七)
- 2008/08/15(金) 08:13:31|
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